つがる☆時空間  

青森県の観光情報や歴史民俗を中心に紹介しています。江戸時代の天守がある弘前城・岩木山、八甲田山などの四季や、こぎん刺し・津軽塗の伝統工芸をゆっくりとごらんください。

こんにちはnatuです。青森県在住の主婦ライターです。
『グラフ青森』社が発刊している「青森の暮らし」にてコラム『城下町通信』を執筆しています。弘前城や神社仏閣、あるいはこぎん刺し、『BOR0』といった古布を手掛かりに東北の魂にふれる旅をしましょう。

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太宰治「思い出」の蔵を見学しました。
「どこさ、あるんだべ?」
五所川原市内はあまり詳しくないので、まずは立佞武多の館をめざします。
ちょうど立佞武多の館の職員の方が、団体客の見送りに出ていたので聞くことができました。
「向こうの信号の右手にレンガ色の建物があります。そこはトカトントンスクエアと言いまして、その裏手が太宰治『思い出』の蔵 となっております」と、親切に教えてくれました。



立佞武多の館から車で2分くらいです。 周辺には吉幾三ミュージアムもあって、立佞武多の館とともに観光スポット。駐車場もありますよ。

青森ヒバのの香りがすがすがしい蔵!

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太宰治「思い出」の蔵
五所川原市大町501番地2
開館時間:10:00~17:00
休み:12月31日~1月2日
見学料:大人200円、中・高生100円、小学生以下は無料
団体でのご利用は予約をしてください。
℡ 0173-33-6338 まちなか五所川原

トカトントンスクエア

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まちなか「思い出パーク」・トカトントンスクエアに太宰治「思い出」の蔵はあります。
「トカトントン」は太宰の作品のひとつですね。
トカトントンスクエアは飲食店街になっていて、私がでかけたときは午前中だったのでひっそりとしていましたが、夕方からにぎわうのでしょう。

さて、太宰が子どもの頃、お母さんだと思っていた叔母のキエ。
実母の妹ですが、金木の家でともに暮らして、キエは自分の子ども同様に太宰に接しました。

太宰の実母・タ子(たね)は家付き娘のため、太宰の実父である源右衛門は婿さん。 源右衛門は質実な地主で後に貴族議員に。
叔母のキエは、源右衛門の弟と結婚して子どもが生まれていましたが、のちに離婚。

やがて五所川原に分家され、娘夫婦と暮らすように。1916年(大正5年)に蔵も建てられたのです。

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中に入ると、蔵じゃないみたい。
だって、蔵って米や炭やふとんや食器などをしまっておく倉庫じゃないですか。 なのに木の香りがさわやかで明るく、居心地が良すぎです。

ほんとうにくつろぐ感じで♪
壁には太宰に関するモノクロの写真がいっぱい。


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「昭和19年に発生した五所川原大火のとき、焼け残ったのがこの蔵でした。キエさんたちはこの蔵を住まいにしたので、太宰もよく訪れたのです」
解説員の方が説明してくれます。

そのときの入館者が私だけだったので、たっぷり解説して頂き、感謝(*^_^*)

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五所川原の大火

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五所川原の大火はすさまじくて、当時の豪商の屋敷「布嘉(ぬのか)御殿」も焼き尽くしました。名棟梁の堀江佐吉が手がけ、贅を尽くした建物でしたが、炭蔵に火が燃えうつり、火災はますます激しくなったそうです。

主の佐々木嘉太郎は農家の出身ですが、商才があって若い頃は北前船が寄港する鰺ヶ沢へ通い、ボロ布を仕入れては五所川原近郊の農家の主婦を相手に売りさばきました。

そこから呉服屋を始めて、東北屈指の大地主になったというのですから、さしずめ明治期の下剋上。

そんな町を焼き尽くす大火の折にも、叔母キエの蔵が燃え残ったのには理由があります。
それはこの水甕(みずがめ)

「火事のとき、この水甕に満タンの水を入れて、蔵の扉には味噌を塗りこめ、火が入らないようにしたそうです。そうして鎮火後に蔵に入ってみると、この甕の水は一滴も残っていなかったとか。蔵を守った水甕として現存しているのです」
解説員がそう話してくれました。

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こちらの史料館には、太宰の自筆原稿コピーがあります。
文学の師である井伏鱒二へ宛てた結婚の誓約書。
「このたび石原氏と結婚するに当たり、一礼申し上げます。私は、私自身を家庭的な男と思っています。よい意味でも悪い意味でも私は放浪に堪えられません……」

真面目な気持ちで書いたことが伝わる文字です。
後に、山崎富江と心中するのですが、美知子夫人と結婚を決めたときは真剣に生きようと思っていたのでしょう。
まさか、これが嘘っぱちではないはず。いくら小説家だって……?!


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黒いのは金庫。
木の床が新しく見えますが、これは当時からのヒバをカンナ削りしたら、木目と香りがよみがったのです!
「新しい木材を使う方が経費は安くなりますが、太宰治「思い出」の蔵は当時の木材を使用して再建しました。良い木材でさすが津島家の分家だと思います」

太宰治の世界に浸ったひとときでした。
寝転びたくなるような空間。
太宰治が叔母キエと言葉を交わしながら、お酒を飲んだ「思い出」の蔵です。

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