つがる☆時空間  

青森県の観光情報や歴史民俗を中心に紹介しています。江戸時代の天守がある弘前城・岩木山、八甲田山などの四季や、こぎん刺し・津軽塗の伝統工芸をゆっくりとごらんください。

こんにちはnatuです。青森県在住の主婦ライターです。
『グラフ青森』社が発刊している「青森の暮らし」にてコラム『城下町通信』を執筆しています。弘前城や神社仏閣、あるいはこぎん刺し、『BOR0』といった古布を手掛かりに東北の魂にふれる旅をしましょう。

IMG_3949

つがる☆時空間natuです。
今朝の弘前は20センチ以上の積雪があり、
せっせと雪かきをしました。

ところで、
真冬に怖いのは
雪道ですべって転んだり
雪の重みで屋根が傷んだりもそうですが、

雪女が現われることではないでしょうか。
まさか、人間の精気を奪う雪女だなんて
とっくに絶滅したはず……

津軽の雪女は、人を凍死させるような怖ろしい伝説ではありません。

青森の民話で
代表的なのが「しがま女房」です。
しがま――つらら、氷の柱
共通語にすると、「つらら女房」ですね。

発音は、「し」と「す」の間の津軽独特の訛り方。 

しがま女房


昔、独り者の男がわびしく暮らしておった。
めんこいめらし(年頃の娘)がいたら、
かが(妻)に欲しいといつも思っていだど。

ある冬の寒い朝、男が外に出ると
家の軒下にきれいなシガマ(つらら)が垂れ下がっていだ。

「あんな色の白い透き通るような
細くつるつるとしためらしが
嫁っこになってくれたら、
どったらに幸せだべな~」

IMG_1906


その晩、寒々とした月が山の村を照らした。
夜更けに戸口を叩く音。

「誰だば?」
「おら、今朝、お前さまが欲しいと口にした
   シガマこだぉん」

男が喜んで戸を開けると、
自分が望むような美しいめらしが立っている。

ハッとするほど、きれいなめらしは
  臆することなく言う。
「おら、おめの嫁こだ。家さ、おいでけろ」

「おう、おう、そんだら一緒に暮らすべし」


申し分のねえ嫁こであった。
すらりとしたべっぴんで、色が透き通るほど白い。

ところがどうしたわけか、嫁こは風呂がきらいであった。

こんなに美しい女なら、風呂に入って磨けば、もっときれいになる。
そう思った男が、むりやり風呂に入れると、


嫁こは、湯の中でとけて、櫛とかんざしが湯舟に浮いているばかりであった。
      とっちばれ。


                        (参考・青森県昔話集成・昭和52年発行)

スポンサーリンク



入浴さえ強くすすめなかったなら、
男はずっときれいな嫁と幸せに暮らせたのに。

冬の精が、
男にひとときの夢を与えたのかもしれません。

トロフィーワイフ


昔も今も、
絶世の美女と結婚するのは難しい。

トロフィーワイフというそうですよ。
仕事で成功をし、
名誉やステータスとお金を得た男性が
次に求めるのは、美女を妻にすること。
 
古女房を捨てて、新妻は華やかな美人という話は
   掃いて捨てるほどありますね。


ところで、民話を取り上げたのには理由があります。

  20日の AFP/時事によると
「美女と野獣」、あるいは「ジャックと豆の木」等の童話は
これまで考えられたよりもずっと古く
数千年前のものとする、研究報告がなされた。
 
 このニュースに、
青森の昔話は、
縄文時代から伝わっていた話である可能性があると思いました。

文字で書き留められたずっと前から
 口承による民話があったそうですから。

  さて、雪降る夜に、
    見知らぬ美人があなたの家のドアを叩いたら……
   
   用心のため、たやすく招き入れないほうが
     やっぱり無難かと
      現代人の私は思います(*^_^*)
       



スポンサーリンク